気になるハンドケア。アイテムはどう選べばいい?

前回は、男性の手は、顔と同様によく見られていることをお伝えしました。
メンズのスキンケアが注目されていく中、ハンドケアも同じように大切になりそうですね。

▽前回の記事はこちら
「コロナ禍の手は荒れやすい」

今回は、男性がどのようにハンドケアアイテムを選べばよいかを考えてみましょう。

ハンドケアアイテムにはどんな種類がある?

一般的にハンドケアというと「ハンドクリーム」が頭に浮かぶ方が多いと思います。
そして同時に、ベタベタするからあまり好きではない、という方も多いかもしれません。

ハンドケアアイテムも様々で、オイル・バーム・クリーム・ジェルなどがありますが、違いがわかりづらいのが難点。おおまかに説明すると、以下のような違いがあります。

  • オイル…トロっとしたテクスチャで、その名の通り油です。肌に油分を与え、艶を出してくれます。
  • バーム…軟膏のようなテクスチャで、オイルが固形化されたものです。体温で溶けてトロっとします。
  • クリーム…水分と油分を混ぜ合わせて「乳化」されたもの。軽いテクスチャからしっかりしたものまで、様々です。
  • ジェル…サラっとしたテクスチャ。油分が入っているものもあれば、入っていないものもあります。

それぞれのメリットデメリットは?


テクスチャ編

▽オイル・バームタイプ
油分がメインとなるオイルやバームは、肌の水分を逃しにくくなり、保護力は高くなりますが、同時にベタつきやすくなるという点もあります。肌の水分は逃しにくくしてくれますが、肌がカラカラに乾いてしまっている場合には、そもそも水分自体が肌に少ないことも。このような場合は肌に水分を与えてから使うとベター。

▽クリームタイプ
クリームは最も一般的。水分と油分が混ざったものになりますが、油分が多め。肌に水分を与えると同時に油分を与えてくれます。オイルやバームに比べるとベタつきにくく、伸びもよいので使いやすいです。手の甲はよくても、手のひらにつくとベタつきを感じる方も多いかもしれません。

▽ジェルタイプ
ジェルは最も水分が多くベタつきにくいタイプになります。油分が少ないため、水で落ちやすい点がメリットにもデメリットにもなることがあります。ジェルには2種類あります。

▽オイルインのジェル
こちらはクリームと同じく水分と油分が混ざったもの。水分の方が多めのため、ベタつき難い特徴があります。クリームほどではありませんが、油分がはいっていることで、水分を逃しにくくなります。

▽オイルフリーのジェル
オイルフリーのものは油分が入っていません。サラっとした使い心地を求める方には、最も適しています。ただし、使用されている保湿成分の種類や分量などによっては、油分がなくてもベタベタした感じが肌に残ってしまう場合もあります。

どのタイプを使っても、肌を保護したり、水分の蒸発を防いだり、肌に潤いを与えることはできますが、やはり共通して気になるのは「ベタつき」。これが嫌なので、そもそもハンドケアをしない、という方も多いかもしれませんね。

成分編

「酷く手が荒れている」「手が荒れそう」「荒れる前に防ぎたい」。
同じハンドケアを行うにしても、状況や目的によっては、使うものをうまく選びたいですよね。

それぞれの商品の特徴や機能的な成分はパッケージに記載してあることが多いので、自分の肌の状態や目的にあったものを選ぶことが大切です。

薬用の方がいいの?

ほとんどのハンドクリームには、炎症を抑えたり、肌を保護する成分が入っています。「薬用」(医薬部外品)と書いてあるものだけでなく、そうでないものでも、同様の成分がはいっていることがほとんどです。そのため、薬用にこだわる必要はありませんが、成分によっては「しみる」「ヒリヒリする」といったこともあります。

そのような状態の時に最も大切なのは、「肌のバリア機能が働ける状態にすること」。そのためには、「潤いを与える」ことが重要です。肌に潤いが戻り、バリア機能が働けるようになってくると、しみる、ヒリヒリする、といったことも起きにくくなります。

また、乾燥が酷いときには油分を与えてあげることで潤いをキープしながら、さらなる水分の蒸発を防ぐこともできますよ。ただし、あまりにもひどく、湿疹やあかぎれのようになってしまった場合には、我慢せずに皮膚科を受診するようにしましょう。

難しい日中のケア。サラサラと潤いは両立できるの?

さて、テクスチャや成分は状況や目的で選ぶことができますが、特に日中のケアで問題なのは「ベタつき」をいかになくすか、という点になるかと思います。

ベタつきを和らげる工夫がされている商品もたくさんあります。次はそこに注目していきましょう。

仕事で車に乗ることが多い方は、社内での乾燥を避けながらも、すぐにハンドルが握られる状態が好ましいですし、パソコンやスマホを触ることが多い方は、キーボードや画面をすぐ触れるようにしたいですよね。

潤いとサラサラの両立は不可能ではありません。ベタつきを抑えるには2つの方法があります。

「シリコン」の働きによるもの


よく聞くけど「シリコン」って何?
シリコンは油性の成分に分類される成分ですが、厳密には油でできているのではなく「ケイ素」と「酸素」が繋がってできた物質です。様々な化粧品に幅広く使用されています。

▽シリコンのメリット
シリコンは水に溶けない成分であるため、汗や水分に強いという特徴があります。
また、揮発性が高く、サラっとした感触であるため、ベタつきを抑える働きもあります。
そのため、油分の多い日焼け止めやリキッドファンデーションのウォータープルーフ効果を目的として使われることが多い成分です。同様の目的でハンドクリームにも配合されていることが多い成分でもあります。

▽シリコンのデメリット
シリコンは水に溶けないと説明しました。これはデメリットになる面もあります。簡単な手洗いでは落とすことができず、油分を用いらなければなりません。きちんと落とせていないと、毛穴詰まりの原因として挙げられる成分であるというデメリットがあります。つまり、シリコン配合の製品を使う場合には、肌のためにもクレンジングが必要になります。

ヘアケア用品はノンシリコンにこだわっている人も多いと思います。そのため、入っていると嫌だな、と感じる方も多いかもしれません。とはいえ、製品の使用感はよくなりますし、多くの化粧品に幅広く使われているため、知らず知らずのうちに使っている方も多い成分と言えます。

◆シリコン配合のものはこんな方にはおすすめ
  • ・職業柄、水仕事に携わることが多い
  • ・しっかりと油分も与えたいけどベタつきは減らしたい
  • ・塗りなおしの回数を極力減らしたい

「オイルフリー」での処方


▽オイルフリーのメリット
こちらはその名の通り、油性成分を使用せずに作られているものとなるため、油分によるベタつきがないのが特徴です。
水性の保湿成分がメインとなっており、ジェルタイプになるため使いやすく感じる方が多いと思います。肌に潤いを与えてみずみずしい肌を作ってくれます。ベタつきは各段に減るため、膜をはったような不快感もなく、すぐに物を触ることもできます。パソコンやスマホを使うシーンの多い方や、ベタつきが苦手な方にはおすすめです。

▽オイルフリーのデメリット
油分配合のもののように保護膜を作るような働きや、艶をだす、水を弾く、といったことは難しくなります。塗りなおしの回数は少し増える可能性があります。

◆オイルフリーのものはこんな方におすすめ
  • ・とくかくベタつきが気になる
  • ・塗ってすぐにパソコンやスマホ、ハンドルなどを触りたい
  • ・肌に負担をかけたくない
  • ・クレンジングが面倒

ただし、なかなかオイルフリーのハンドケア製品に出会うことは難しく、またオイルフリーであっても別な保湿成分でテクスチャはみずみずしいけど、ぬった後にはベタつきが残る、というものもあります。
使用感はしっかりと確認されるといいですね。

使用シーンで賢く選ぼう!


簡単に説明してきましたが、ハンドケアアイテムは成分もテクスチャも価格も様々。
肌の状態だけでなく、使用感や成分も踏まえた上で、自分にとってのメリット、デメリットと照らし合わせてアイテム選びができるといいですね。

日中と、夜間でアイテムを分けることも一つの方法です。

運転やパソコンでの作業が多い方の場合

【日中】外気や紫外線、手洗いなどの刺激が多いながらも、仕事の邪魔にならないように、オイルフリータイプで肌を守る
【夜間】クリームタイプで肌をしっかり回復させていく

介護や理美容、飲食業など水仕事が多い方の場合

【日中】クリームやウォータープルーフのもので長時間しっかりと肌を守る
【夜間】オイルフリーのもので肌への負担を減らしながら労わる

しっかりとケアしてあげたい肌、それが「手」

全身の肌の中でも、日々もっとも使われ、過酷な環境にさらされる、なのに、見られている「手」。

手洗い、消毒のシーンが増えている今こそ、自分にあったものを見つけて、賢くケアしていきましょう。
手の綺麗な男性は、素敵ですよ。

この記事を書いたのは・・・

ZIGEN株式会社 商品開発・CS管理担当 古市亜紀
・化粧品成分検定1級合格
・化粧品成分上級スペシャリスト
・国際薬膳食育師