24時間、365日、“自動化”できるスキンケアとは?

そもそもスキンケアの基本って?

スキンケアの基本というと、洗顔や保湿といった行為自体を思い浮かべる方が多いと思います。では、スキンケアの役割の基本は何でしょうか?

従来のスキンケアは、肌に潤いや栄養を与えて維持するためのものが主流でした。
しかし昨今、自分の肌が本来持っている、キレイになろうとする力を引き出すためのスキンケアも増えてきています。

このような考え方も、スキンケアの基本の1つです。
今日は肌が本来持っている力「素肌力」を高めるためのポイントを考えていきたいと思います。

人の肌にあるお花畑、肌フローラ。

善玉菌や悪玉菌という単語は聞いたことがある方が多いかもしれません。腸内には、様々な菌が日常的に存在しており、この菌を常在菌と言います。

“腸内フローラ”という言葉は、腸の中にいる腸内細菌の様子を指しています。
顕微鏡で見たときに、これが腸の中でお花畑のように広がって見えることから、お花畑を表す「フローラ」という言葉を使って表現されるようになりました。この常在菌は、私たちにメリットのある働きをする善玉菌、デメリットとなる働きをする悪玉菌、通常は特に大きな影響を与えない日和見菌の3つに大まかに分けられます。

そして、この常在菌の比率が、善玉菌2:悪玉菌1:日和見菌7のバランスがベストだと言われています。
バランスが良い状態だと腸内の環境が整い、バランスが崩れると悪化するという話を聞かれたことがあるのではないでしょうか?

実は、皮膚には「皮膚常在菌」と呼ばれる常在菌が存在しており、この腸内フローラと同じように、お肌には「肌フローラ」があると言われています。
肌は腸内に比べると常在菌の数が少なく、また、気温や湿度、化粧品の使用などの外的要因でその状態は大きく左右されますが、常在菌のバランスがよい状態だと肌の調子が整いやすくなり、バランスが崩れると肌に不調が出やすくなる点は同じですね。

肌の上の常在菌「皮膚常在菌」とは?



まずは、「美肌菌(善玉菌)」。これは、肌の上で美肌のために働きます。

美肌菌と呼ばれるのは、「表皮ブドウ球菌」
肌の表面や毛穴に存在しており、皮脂や汗を餌にしています。肌の保湿やバリア機能を高める働きのあるグリセリンや、肌を弱酸性に保つ働きのある脂肪酸などを作り出してくれます。

逆に、悪玉菌として有名なのは、「黄色ブドウ球菌」
皮膚表面や皮脂腺に存在し、存在するだけでは問題のない菌です。しかし、ストレスや紫外線、誤ったスキンケアなどが原因で肌がアルカリ性に傾くと増殖。肌荒れや皮膚炎などのトラブルを起こしてしまいます。

もう1つ存在するのが「日和見菌」。状況によって、良くも悪くもなってしまうタイプの菌です。

この中で有名なのは「アクネ菌」
普段から毛穴や皮脂腺に存在しています。皮脂をエサにして脂肪酸やプロピオン酸をつくり出し、肌を弱酸性に保ったり、悪玉菌の増殖を防ぐことに一役買っていますが、過剰に増えてしまうとニキビの原因となってしまうため、ニキビの原因菌として有名です。

この「美肌菌」「悪玉菌」「日和見菌」が常にバランスよく存在することで、肌は自力で美しく健康を保てるのですが、過剰な洗浄や油分の塗布といった間違ったスキンケアや、紫外線やシェービングといった外的要因、さらに食生活やストレスといった内的な要因も加わり、このバランスが崩れやすいのが現代人の肌。
このバランスが崩れてしまうと、肌にトラブルが起きやすくなってしまいます。

美肌菌の働きって?

美肌菌は肌に有用な働きをしてくれると書きました。

皮脂や汗といった分泌物を分解し、肌に有用な物質を生み出すのが大きな働きです。

潤い成分の一つであるグリセリンを生み出したり、肌を弱酸性に保つ働きがあるだけでなく、肌荒れの原因となる悪玉菌を退治してくれる「抗菌ペプチド」という物質も生み出してくれます。さらに、バリア機能の働きにも関わっており、まさに肌の上で攻守の要となる存在なのです。

美肌菌を増やそう!

大手メーカーの研究でも、肌が敏感な人は肌の水分が少ないだけでなく、健康な肌の人に比べて美肌菌の比率が少ないことが分かっています。つまり、この美肌菌を増やすことは、肌が本来持っている働きを助け、自ら健康な肌にしていくことに繋がっています。
では、具体的に何をしていけばよいのでしょうか?

まずはしっかりと潤う肌を作ろう

肌は自ら潤う働きを持っていますが、いつも外気にさらされている顔は、最も過酷な環境にいる肌の一つ。
まずは、きちんと潤いを与えてあげることが大切です。これは、スキンケアで補うことができる最も簡単な方法。
そして、肌は自ら潤うことはできますが、落とすことはできません。
クレンジングや洗顔を軽んじることなく、きちんと行い、保湿ケアが生きるベースとなる肌の状態を作ってから、保湿ケアをしましょう。

ただし、洗いすぎは禁物!洗いすぎることで美肌菌も数も減ってしまうだけでなく、エサとなる皮脂や汗が減りすぎてしまうと美肌菌が活躍できなくなってしまいます。洗顔料を使っての洗顔は、1日1~2回程度にとどめましょう。

美肌菌が働きやすい環境を作る成分をプラスする

洗顔後は、どうしても美肌菌の数や餌が減ってしまいます。スキンケアで美肌菌と相性のよい成分をプラスし、働きやすい環境を作ってあげることも1つの方法です。

発酵エキス
昨今目にすることが増えてきた「発酵エキス」は、特定のエキスを特定の菌によって発酵させて抽出されるエキスです。美肌菌が喜ぶエキスとして取り上げられることも多い成分です。

例えば、豆乳に乳酸菌のタネを植え付け培養させると、すぐに発酵が始まります。発酵の過程で乳酸菌が豆乳を分解、さまざまな有用な成分を生み出します。この培養液を濾過して作られるのが“乳酸桿菌/豆乳発酵液”と呼ばれる「発酵エキス」。菌から生み出されるパワーが詰まったエキスとなり、アミノ酸やビタミン、ポリフェノールといった肌に嬉しい成分がギュッと詰まっています。さらに、酵素の力で肌が柔らかくなり、角質ケアの働きが期待できたり、肌になじみやすいといったメリットが考えられます。

何のエキスを使用するか、どんな菌を使用するかで、得られるメリットが異なることも魅力的ですね。

バイオエコリア
BIOECOLIA(バイオエコリア)は、ショ糖と麦芽糖の2つの糖から酵素を利用して生み出されたオリゴ糖です。
化粧品に表記される際には、「α-グルカンオリゴサッカリド」と表記され、グルコオリゴ糖と呼ばれます。美肌菌のエサとなる成分であるため、美肌菌を活発に活動させます。

つまり、美肌菌が活躍できる肌を作るには、

  • ・美肌菌を減らさない洗顔
  • ・美肌菌を増やすスキンケア

この2つを意識するとよいのですね。

そして、ちょっとだけ注意して頂きたいのが、化粧品に含まれている「防腐剤」。
悪者として捉えられることも多いですが、これには、抗菌作用があり、栄養豊富な化粧品に雑菌が繁殖すること防ぐ重要な働きがあります。

ただ、合成界面活性剤を使用する商品は、その使用量と比例して防腐剤を増量しなければいけないという点があります。そのため、クリームや乳液などの乳化剤が必要な商品や、香料や着色が必要な商品は、必然的に防腐剤を増量する必要が出てきてしまいます。
この防腐剤は、重要な働きがあるとはいえ、美肌菌にも抗菌作用を発揮してしまうことが考えられるため、できるだけ配合されていないものが選べるとお肌にとっても嬉しいですね。

さらに、ニキビ向けの洗顔料や化粧水等に配合されることの多い、抗菌成分も同じことが言えます。使うタイミングや期間を考えながら使えるといいですね。

24時間続く自然なスキンケアを



美肌菌は、肌の上で私たちの気付かないうちに、24時間365日、肌を健康な状態に導くために働いてくれます。
この働きを最大限しないのは勿体ないですよね。

発酵コスメや、美肌菌に着目した商品が増えて生きている昨今。
肌に栄養を与えるだけでなく、自分の素肌力を上げるためのスキンケアを取り入れてみませんか?

きっと、朝起きて鏡を見るのが、今より楽しくなっていきますよ。

この記事を書いたのは・・・

ZIGEN株式会社 商品開発・CS管理担当 古市亜紀
・化粧品成分検定1級合格
・化粧品成分上級スペシャリスト
・国際薬膳食育師